
首都圏の名門ミッション系大学として高い人気を誇る明治学院大学。文系の総合大学として歩んできましたが、2024年4月に初の理系学部である「情報数理学部」を設置しました。なぜ今、新たな学部が必要とされたのでしょうか。
本記事では、情報数理学部設立の背景や教育の特色、その構想が実現するまでの歩みをご紹介します。
目次
- 160年以上にわたり“Do for Others”を理念に教育を続ける
- 情報系の学部を作ることが明治学院大学の発展を支える
- 全学に文理融合を波及させる組織づくりからスタート
- 横浜の好立地に基礎から応用までを学ぶ情報数理学部が誕生
- 次回へと続く――横浜キャンパス11号館。“Do for Others(他者への貢献)”を体現する情報系の学びに必要な教育と空間、そして設備とは?
160年以上にわたり“Do for Others”を理念に教育を続ける
明治学院大学は、1863年創立の私立大学で、東京・白金と横浜・戸塚にキャンパスがあります。創立者は横浜港開港(1859年)とともに宣教医師として来日したアメリカ人のJ.C.ヘボン博士です。ローマ字の「ヘボン式」の考案者としても広く知られるヘボン博士が、妻とともに開設した私塾が同大学の歴史の礎となっています。
160年以上経つ現在においても、「キリスト教による人格教育」を建学の精神に、ヘボン博士が生涯貫いた“Do for Others(他者への貢献)”を教育理念として、ヘボン博士の想いを受け継いだ教育活動が展開されています。

情報系の学部を作ることが明治学院大学の発展を支える
これまで明治学院大学は、文系の総合大学として、6学部、1センター、7研究科(大学院)を設けてきましたが、2024年4月、初の理系学部である「情報数理学部」を設置しました。
同大学では以前から理系学部を設置する議論はありましたが、2020年4月に就任した村田玲音前学長のリーダーシップのもと、「“Do for Others(他者への貢献)”を教育理念に掲げる明治学院大学がつくる理系学部なら、社会や人に貢献する学部でなければならない」との考えから、より具体性を持って新学部設置の検討が進められていきました。
村田前学長は、情報系の新学部を設置した経緯について、平木敬東京大学名誉教授との対談で次のように語っています。
「本学には文系の学問の蓄積がありますから、情報系の学部を新設し、既存の文系学部と有機的に連携していくことができれば、平木先生がおっしゃる2030年以降に活躍できる人材を育成できるのではないか、そんな情報系の学部を作ることが今後の明治学院の発展を支えていくに違いないと強く確信するに至りました」
全学に文理融合を波及させる組織づくりからスタート
文系と理系の枠に捉われず、横断的に学びを深め、社会の課題に対応できる教養を身につける「文理融合教育」を掲げる大学は多くありますが、明治学院大学の特徴は、文理融合を実現するための組織づくりからスタートしたことです。
同大学では、新たに「情報数理学部」を創設して独立性を担保しつつ、同時に「情報科学融合領域センター」をブリッジ役として立ち上げて、文系の蓄積と理系の考え方や手法とをうまくミックスさせながら、領域を超えた研究ができる体制を整えました。

また、情報数理学部がスタートする前年の2023年度から「AI・データサイエンス教育プログラム」を全学部の学生を対象にスタート。これまで一部の学部の科目にしかなかった情報系の学びを、『単位が修得できる科目』として、すべての学生が履修できるようにしたのです。初年度から数千人単位の学生が履修していることからも、学生の関心の高さがうかがわれます。
このプログラムから派生した学生の研究「生成AIを活用した顔表情からの表情コピーと感情マップ生成」が2024年11月2日、3日にかけて行われた フォーラム顔学2024(日本顔学会)にて輿水賞を受賞する快挙を成し遂げました。研究に参加したのは、心理学部や法学部の学生たちです。こういった成果からも、新学部の設置と文理融合を推進する組織やカリキュラムづくりが全学的な波及効果を生んでいると言えるでしょう。
▽受賞内容について詳細はこちら
https://www.meijigakuin.ac.jp/news/01147.html
横浜の好立地に基礎から応用までを学ぶ情報数理学部が誕生
情報数理学部は「数理・量子情報コース」「AI・データサイエンスコース」「情報システム・セキュリティコース」の3コースで構成されています。数学を深く理解したうえで、情報分野へ応用ができる「数理学」をしっかりと修めつつ、コース選択によって、社会で求められる情報学の専門知識を学ぶことができます。

明治学院大学の横浜キャンパスでは、全学部の学生が1、2年生で教養課程と専門科目の一部を学ぶとともに、国際学部の学生は4年間を横浜で学びます。新設された情報数理学部の学生もまた、4年間を横浜キャンパスで学びます。
横浜キャンパスが立地する戸塚とその周辺には、製薬会社や電機メーカーなど、ITやAIを駆使する先進企業も立地しており、情報数理学部と産学連携ができる恵まれた環境があります。また、神奈川県内からはもちろん、静岡県からのアクセスもよく、情報系の学びを志す受験生にとっては、魅力的な進学の選択肢が増えたのです。

次回へと続く――横浜キャンパス11号館。“Do for Others(他者への貢献)”を体現する情報系の学びに必要な教育と空間、そして設備とは?

2025年9月、横浜キャンパスに情報数理学部の教育拠点となる11号館が完成しました。
次回の記事では、情報数理学部長である今井浩教授に、明治学院大学独自の理系学部の学びを実現する11号館の内容とそこに込められた意味をお伺いしていきます。
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